あー・・・
サロゲート
という映画を見て、あー・・・と暗い気持ちになった。
主演は、ブルース・ウイルス。
「サロゲート」とは、人間が操作する精巧なロボットの事だ。操作する人間は、「オペレーター」と呼ばれる存在になっている、近未来が舞台。
サロゲートの開発者は、体が不自由だ。自由に動き回りたい・・・その願いが、サロゲートを創った。サロゲートの操作は簡単だ。横たわり、サングラスの様な装置を、両目に当てるだけ。
それだけで、脳からサロゲートに意思が伝わり、サロゲートが見る映像が、脳に帰ってくる。サロゲートはオペレーターの意思のままに、自由に活動する。
企業が、「サロゲート・サービス」を立ち上げる。
あなたの、思うとおりに、生きられます・・・
・・・美しい女性に
逞しい男性に・・・
・・・もっと若々しく
あなたの夢がかないます・・・
人々は自分の理想の姿を、サロゲートに求め、部屋に閉じこもり、横たわり、出て来なくなった。代わりに、操作するサロゲートが、社会生活を営んでいく。
主演のブルースウイルス扮する刑事も、その一人だ。ただ彼は、こう思っている。
かたく扉を閉ざして外の世界に出て来なくなった、妻。妻が操作するサロゲートとでしか、触れ合う事がない、妻。
人間として、再び妻と向き合ってみたい・・・
ちょっと、こんな世界がうらやましい・・・
そう思ったとき、
あー・・・となった。