水筒
中学生の時に、「水筒〜ひめゆり学徒戦隊記〜」という漫画を読んで、ひどく感動した事がある。
ひめゆりの女生徒らを引率する、男性教師が主人公だ。
その漫画では、本土からやって来た日本兵が、とても野蛮な集団として描かれている。集団自決をうながし、けっして投降することを認めない。日本兵によって、おびただしい沖縄の人々が殺されたと、日本兵が銃剣で沖縄の民を突き殺している描写さえあった。
漫画のラスト、洞窟の中で手榴弾を引いて自決しようとする、ひめゆり学徒に、
「生きよう。生きて、この事を伝えるんだ」
主人公の教師はそう言って、洞窟を出てアメリカ兵に投降する。
「ウォーター?フード?」
アメリカ兵はそう、優しく主人公に笑っていた。
沖縄でも、広島でも、長崎でも、語り部たちは次の世代に引き継がれていくんだろうけど・・・
ただ、「悲惨」だけを引き継いで語っていくんだろうか?
こんなに悲惨なんです。だから、戦争は絶対に繰り返してはいけません。だから、武器を放棄しましょう。平和憲法を守りましょう・・・こうなっていくのか・・・
世代が変わるという事は、もう少し客観的に見つめる事ができる、そう思うのだ。
何であんな可愛らしい学徒の女の子たちが、悲惨な最期をむかえたの?どうして?アメリカはどうして?日本は、日本兵はなぜ?これからどうしたらいいの?どうすべきなの?
伝える方もそれを受け取る方も、そんな事を考える世代だと思う。