今週のお題・甘酸っぱい思い出?・琴平電鉄

 私の母親は、四国は香川県、高松の出身だ。母親が、四国八十八ヶ所巡りをしてるのも、そういう縁があるわけだ。

 母親と二人で、ぐる〜っと四国を回って来て、香川県に入ったら、どうも様子が違う。やはり、自分自身のバックグラウンドだから、感慨深いものがあるのだろうか。

 83番・一宮寺まで来た時、母親の実家のお墓が近いということで、お墓参りをする事になった。「法然寺」というお寺だ。香川県市民の足である、琴平電鉄(通称、ことでん)に乗って、「仏生山駅」という駅に向かう。法然寺は、その駅から歩いて十五分ほどだ。



 お墓参りを済ませて、駅にもどるのに、「こっちから行こう」と、母親が、さびれた商店街を歩き出した。そして、色々語りだしたのだ。

 「ここ、この公民館の敷地・・・昔、私の家があってん」
 「あの病院で、・・・を産んだんや(兄の事)」
 「学校行くのに、この路地通ったんやで」
 「このお寺で、子供の頃よお遊んだわ。この木、大きぃなってる」

 仏生山駅から高松駅に向かう時、電車内で、

 「働きだして、この電車使って、高松まで行っててん」



 「ことでん」は、大阪の交通機関を利用する私には、おんぼろ列車である。でも、不思議な温かみがあった。電車で座って、目を閉じてた母親は、なにか、甘酸っぱい事でも思い出してたのかな・・・