片隅の町の幸せ

それは、あなたの小さな幸せ

今週のお題「人生最大のピンチ!」・十八の夜

 十八の時、初めて酒を飲んだ。そして、家に帰る夜道、目の前がぐらぐらして、へたり込んだんだ。

 車道と歩道の段差が、すごく快適に思えて、その段差に背中をすり寄せるようにして、寝てた。

 そしたら、

 「兄ちゃん、車にひかれるぞ」

 と、誰かが体をゆする。私は素直に這い上がって、近くのベンチに座ったんだ。

 しばらくして、

 「おーい、この辺で、酔っ払い、見なかった?」

 と、チャリに乗ったポリ公が、私の前にやってきた。

 私は首と手を、同時に振った。ポリ公は、私がその酔っ払いとは思わずに、行ってしまった。


 ベンチに座って私は、なんだか可笑しかった。それから、逃げるようにして家に帰ったんだ。