片隅の町の幸せ

それは、あなたの小さな幸せ

肉屋のコロッケ


 これは、近所の肉屋のコロッケです。一個、80円です。揚げたてじゃありません。保温ケースに入れてあるのを、売ってくれます。
 自慢じゃありませんが、私は肉屋のコロッケが大好きだ。私は勝手に、「黄金の食べ物」と呼んでいる。
 でも、「黄金の食べ物]は、ずいぶん昔の思い出になってしまった。


 私が小学生の時、近所のスーパーマーケットの肉屋のコロッケは、いつも揚げたててで、一個30円だった。学校で禁止されていた、帰宅途中の買い物を守らず、十円玉を握り締め、腹をすかして買いに行ったものだ。揚がったばかりのコロッケは、黄金色に見えた。

 肉屋のおばちゃんも、油紙の袋の両端を持って、クルクルクルッと回転させて袋を閉じる、というパフォーマンスをしていたっけ。


 そのスーパーマーケットは、もうないからなあ。揚げたてで、30円で売っている肉屋はどこかにないか?
 そんな旅に出てみたい。