片隅の町の幸せ

それは、あなたの小さな幸せ

ガンダム大地に立つ

 昨日の日曜日、私は意を決して、大都会・大阪に出たのであります。その目的は・・・

 そうでございます。まさに、今の小説界のトップランナーともいえる、高村薫先生の講演会を、聴きに行ったのであります。やはりご高名な作家。会場は満員。遠く関東や九州から来ている人もいました。

 講演の内容は、(小説を読む人と、小説を書く人の境目)(プロとアマの違い)・・・などを土台にして、縦横無尽にお話を展開されておりましたが・・・難しい。
 しかし、そこはベストセラー作家。なぜかグイグイと聴き入ってしまうのです。



 高村先生はご自分のことを・・・
 80年、90年代のバブル期、本を出せば売れる時代、新人発掘の為の賞が乱立し、ごく普通のサラリーマンが一夜にしてベストセラー作家になれた。
 自分はその中の一人である・・・と仰られるのです。
 そして、 『マークスの山』 までは、自分はアマチュアであった。 『照柿』 で初めて、表現の欲望を持った、プロになった気がする。そう言われるのです。
 それから、 『レディジョーカー』 までは、エンタテイメントであるが、それ以降は純文学に進んでいると・・・。



 先生は、今年の東日本大震災にも触れ、しょせん小説などは快楽の手段であり、未曽有の災害に直面すると、何の役にも立たない。小説の言葉は計算された言葉で、災害地の生の言葉のように、人を動かすことは出来ないのだ。そして、その生の言葉を小説の言葉にするには、とてつもなく長い時が必要なのだ、と。 先生は、阪神淡路大震災を書くのに、言葉にするのに、長い時間を要してしまったそうです。
 

 小説などは、あってもなくてもよいもの。生存に必要ないもの・・・そう言われる先生ですが、生存にとって無駄なことを掘り下げる・・・これが、深く生きることではないか・・・と言う、痩せた高村先生のお体からは、血をにじませながら作品を創ってきた人の迫力が、感じられるのです。
 ともあれ、質疑応答では笑いが絶えることない、和やかな雰囲気でありました。
 来て良かったと、思いました。

 ・・・・・・






 講演終了後、私は、雨に濡れた大都会、大阪の街を歩きました。ビルビルビル・・・人人人・・・
 人の視線視線視線・・・
 私は最近こう思っている。顔を上げて上を向いて歩けない時は、胸に熱いものが宿っていると意識して、歩けばよい。そうすれば自然と、歩が進む。



 人生にとって無駄と思えるものを掘り下げる・・・うむ、私も、
 スケベを掘り下げていかねばならぬ(°д°)ウリャーッ! 



 スケベ、大都会に立つっ!