片隅の町の幸せ

それは、あなたの小さな幸せ

かぜんちゅ

 先日、ナナハンのバイクに乗って、走り、休憩のため、ダム湖の駐車場のベンチで、涼んでおったのです。そしたら、ロードバイクにのったおじさんが、サーッ・・・とベンチの横で停まり、そして、
 「いやー・・・単車はいいねえ・・・」
 と、私に語りかけながら、ロードバイクから降りて、ベンチに座った。
 いいねえ・・・の意味は、バイクは自転車より、楽でよかろう・・・という意味でしょう。
 「自転車で、どのくらい走るんですか?」
 私は汗を拭くおじさんに、聞きました。
 「そうさねえ・・・朝九時に出て四時くらいに帰って・・・100キロ位かなあ」
 「へえ・・・」



 人はなぜ、休日に、脚が駆動となる自転車に乗るのか?または、エンジンを駆動させるバイクに乗るのか?なぜ!?



 昔、四国88ヶ所・歩き遍路をしてた時のことです。休憩のため、道のベンチに座っていたら。同じく歩いている、おじさん遍路が、隣に座ってきた。そしてしばらくして、自転車でお遍路をしている青年が、サーッ・・・とやってきたのです。私の隣に座ったおじさんは、その自転車青年に、
 「いやー・・・自転車はいいねえ・・・」
 といった。いいねえ・・・の意味は、自転車は歩くより、楽でよかろう・・・という意味だろう。



 人はなぜ、歩くのだろう?



 しんどいものを背負い込むなら、車より自転車、自転車よりも歩く。
 楽になりたいなら、歩くよりも自転車、自転車よりもバイク。バイクより車。
 これが基準でしょうか!?
 いや違うっ!



 私がバイクに乗るのは、バイクで感じる風が、一番好きだからです。
 自転車に乗る人は、自転車で感じる風が好きだから、歯を喰いしばって山を登るのでしょう。
 歩く人は、草花を揺らすそよ風を感じるのが好きだから、足が棒になるのも平気で、歩くのでしょう。
 苦・楽は、問題じゃないはずだ。苦・楽が、問題であってはいけない。



 人はみな、風人(かぜんちゅ)なのです。
 仕事で疲れきって、会社の外や屋上に出て、吹きつけて絡んでくる風の、心地いいこと・・・。人混みの買い物で疲れたあとの家路の、夕暮れの風の心地いいこと・・・。
 分かるでしょう。人はみな、風人(かぜんちゅ)・・・であるということが。



 さあ、目を閉じて、風を感じて下さい。ほら・・・分かるでしょう

 私がスケベの風となって、あなたの心を爽やかに吹き抜けるのがっ!


 ひゅー・・ー_ー_(〜_〜)・ー_ー_・・・っ・・・



休日の宝