お遍路のこと④・・・小さな夢を見る

 実は昨日、お遍路の最終地点とも言うべき、高野山を登ってきたのですが、そのことはまた後日書きます。とりあえず、母親が遭遇したという、訳ありっぽい男の人のことを終わらそうと思います。



 その男のひとは、『冬、四国へんろ物語』・・・というNHKの特集番組に主人公としてドキュメントされてたのですが、名は鈴木さんといいます。六十歳(放送当時)。



 鈴木さんは十代の頃、父親と折り合いが悪く家を飛び出し、全国の現場作業などを点々としていたそうです。景気がいい時代は、お金には困らなかったそうですが、それでも、やがて仕事が減り、貯金もなくなり、四国に流れてきたそうです。野宿をしながら八十八ヶ所のお寺を回り続け、お接待*1の食べ物で生き延びていたそうです。



 お遍路のニュースの隅にたまたま映った鈴木さんを、実家のご兄弟がたまたま発見し、すぐにテレビ局に問い合わせたのだそうですが、それがきっかけで、特集番組が出来上がったのです。その時、鈴木さんのお父さんは、既に他界しています。横浜の実家に帰って兄弟と何十年ぶりに再開した鈴木さん・・・ですが、長男の鈴木さん、権利のある遺産の相続も辞退し、また四国に戻ってきて、ぐるぐると回り始めるのです。
 母親は、そんな鈴木さんに遭遇してしまったのですね。



 「いつか、へんろ宿をつくって、みなさんに恩返しをしたい」
 

 鈴木さんは番組の中でそう言っていましたが、今どうしているのか知りません。 

*1:お接待