あの人たちの名前

 今日の午前中のことですが、電車に乗ってうつらうつらしておりましたら、ギャーギャーと騒がしい集団が入って来た。小学低学年の集団が、引率の先生に連れられて電車に乗車してきたのです。遠足でしょうか?

 私は座席の端に座っておったのですが、ちょうど私の隣まで、彼らが占領したのです。その子供たちを、私は見てみた。彼らの目を見た。

 私は昔から思うことがあったのですが、幼児の瞳が綺麗なのは、白目の部分が汚れていないからと考えているのです。白目が真っ白だから、瞳の黒が綺麗に浮き上がってくる。

 小学遠足集団の子供たちの目を見てみたら、彼らの白目は綺麗だった。





 ところで私の白目は、黄色く汚れていたりします。







 今日の午後ですが、新聞配達中のことです。押し車を押しながらヨロヨロ歩いているお婆さんがいた。私はその人を追い越してバイクを停め、目的の家の新聞受けに新聞を入れていたのです。私が追い越したヨロヨロお婆さんが、私に近づいてきた。見た目、80は超えている婆さんだ。何を言うのかと思ったら、




 「にいちゃんのそのバイク、静かやねえ」

 ・・・こういう。


 

 確かに私が乗っているスーパーカブは、まだ500キロしか走っていない新車だ(参照・素直 - 片隅の町)。もの凄くエンジン音が静かなのです。そしてこの婆さんは、今まで横をすり抜けていく古いタイプの新聞バイクがよっぽどうるさいと感じていたのでしょうね。

 その婆さんの目を確認しようとしましたが、皺くちゃになっていたので良く分からなかった。ただし婆さんの瞳全体は、可愛らしかった。







 人間は人の手によって、簡単にバラバラになってしまう。


 ・・・と思いますが、


 人間を再生させるのも、人の手しかないのでしょう。


 ・・・の筈ですよね。







 今日の小学生達や婆さんが、普段どんな生活をしてるのか知りません。ひょっとしたら家に帰ると・・・
 書きたくないような目に遭ってるのかもしれない。


 でも、今日の私は、名前も知らない彼らのおかげで、気分がよいのです。