片隅の町の幸せ

それは、あなたの小さな幸せ

読書感想文

 私は本を読むのは好きだったけど、読書感想文が大嫌いだった。四百字づめの原稿用紙を机の上に、ずっと鉛筆を握ったまま焦っていたなあ。

 面白かったっ!

 と思った本の感想で、この原稿用紙をどうやって埋めたらいいか、真剣に分からなかった。「面白かった」って書くしかないんだけど、それでは先生に怒られるから、

 ・・・は凄いとおもいました。
 ・・・は面白いと思いました。
 ・・・は良かったと思いました。

 の羅列になった原稿用紙を提出したもんだ。


 でもクラスには、原稿用紙四、五枚ぐらいびっしり埋める子がいたよな。良くできた見本として先生に指名されて、自分で自分の感想文を、みんなの前で読んでたりしたよ。

 本の内容と自分の体験を絡ませたりしてさ。すっげー・・・と思った。でも、よく考えたら、解説だとおもう。文庫本の巻末にある、解説。それと同じだったんじゃないかと思う。そんな文章テクニックをもった子が、何人かいたんだ。

 
 だから、読書感想文じゃなくて、読書解説文にしたらいいんだよ。

 「面白いと思った本を、他の人にも読んでほしいと思った本を、みんなに解説してあげて。簡単にあらすじを説明してもいいのよ。どのページのどの場面が面白かったか、具体的に書いてもいいの」

 って言ってくれてたら、もっと何か書けたのに。と思います。