片隅の町の幸せ

それは、あなたの小さな幸せ

何を

 先日、新聞点の表で缶コーヒーを飲んでたら、横を通ろうとした初老の女性に、「ありがとう」と言われた。「え?」と、その女性の顔を私は見た。お礼を言われる覚えがない。
 「雪を、払ってくれたでしょう」
 その女性はそう言った。それでやっと、私は思い出したのだ。
 その女性は、新聞店の上のマンションに住んでいる人。マンションの入り口はスロープになっている。雪が降った日、そのスロープをこわごわ登っている女性の行く手の雪を、私は足で払ったのだ。
 そのぐらいの事で、お礼を言われた。

 じゃあ、福島原発の高濃度放射能の中で格闘している自衛官や警察官には、その人たちの家族には、「ありがとう」ですむのか?

 政府は、この任務に参加した自衛官と警察官に、高額の恩給を与えて欲しい。私の税金を使って欲しい。

 そして誰も、もしこの作戦が失敗しても、批判をしないで欲しい。