片隅の町の幸せ

それは、あなたの小さな幸せ

時速60キロとフィアット500

 私はバイクで、時速60キロで走るのが好きです。その理由はといいいますと、私のバイクは、そのスピードを維持する時、なんというかこう、
 「そこそこ、そこやでえ。そのままそのまま、そのままやでえ」
 というバイクの声が聞こえてきそうなくらい、安定して滑らかな、まるで飛んでるかのように走ってくれるのです。
 まあ、そういう性能なんでしょうね。その方が私に合ってるし、いいのです。


 そして今日の事ですが、近場の山間部をバイクで走っておったのです。すると後でドルドルとエンジン音がする。ミラーをのぞくと、めちゃレトロな車が五台、迫ってくるのです。たぶん古い車好きの人なら、涎を垂らすような車だと思うんですけど、私は名前わからず・・・でも一台だけ、見た瞬間わかった車がありました。
 白色の、フィアット500だったのです。

 「うお〜・・・フィアット500や〜」
 と呟きながら、私はバイクを左に寄せ、レトロ車集団に抜いてもらいました。フィアットの後ろにつけて走りたかった。私のバイクは750ccフィアットは500cc。余裕でついて行けるはず。そのはずだったんですが・・・

 「は、速い・・・」
 そうです。直線で80キロ出しても、向こうはそれ以上のスピードで差を開いていくのです。そんな馬鹿な・・・なんであんな古い車が・・・まさか・・・

 「ルパン三世が運転してるのかっ!?花嫁でも追いかけてるのかっ!?崖のぼるんちゃうか??」
  
 そんな事を考えながら、必死でついて行ったのです。どこかで停まってくれたら、写真撮らせてほしい。そう思ったのですが、これ以上ついていくと予定時間に帰れなくなるから、泣く泣く諦めました。

 あー・・・写真撮りたかったなあ(=_=*)