片隅の町の幸せ

それは、あなたの小さな幸せ

土と家

 新聞の夕刊配達をしてると、更地から家を建築してる現場によく遭遇します。 数日前の配達の時、建ちたてホヤホヤで、玄関にもまだビニールをしているような家の前に、若い男女が立っていたのです。並んで黙って、ぴかぴかの家を見上げている。思わず、バイクを止めてしまいました。

 その家に住む、若い夫婦なのか?そう思った通り、二人は頷きあって、女性は玄関のビニールをはがしたり、男性は車を車庫に入れたりしたのです。印象的な現場でした。

 奥さんと旦那さんは無言だったけど、家を見ながら何を思ったのだろう。二人は、似てるようで違うことを思った気がする。
 奥さんは・・・「いい家庭を育てたい」
 旦那さんは・・・「この家を守っていきたい」
 そうな風に思っていたのだろうか。きっとそうだと思う。男と女の考え方を互いにしたんだと思う。

 
 「母なる地球」、「母なる大地」、「母なる海」・・・超大自然には女性の名称が付けられるけど、何故?生命を産み育てるから?難しいなぁ・・・。「母国」ともいう。
 国=女、なのか。国は国でも、
 国土=女、が、しっくりくるな。国土は大地だ。
 大地は女。そして、大地に境界線を敷き、人が家族となって住みつき、家族が増えて部族となって・・・国家になる。そして、
 国家=男、父。そう思うのだ。
 国土は女、母。国家は男、父。
 母は、皇后陛下。父は、天皇陛下。そう思ってしまうのは、いき過ぎかなぁ・・・
 でも、被災地を訪問しているお二人の姿を見ると、自然に胸が熱くなる。


 私は、学校で、皇室の存在を批判するような先生が担任になることが多かった。考え方も、そちらに傾いてしまう。でも、その考え方を吹き飛ばしたのは、今の皇太子殿下だ。皇太子殿下は、雅子様をかばった。宮内庁に対して、
 「雅子の一種、人権みたいなもの、そこに対する圧力がかかっている・・・」
 と言ってのけた。

 この人は、家族を守ってるんだ。そう思って、えらく感動した。そして、あー俺、日本人で良かったぁ・・・とか、訳の分からんことを感想として持ったのだ。こういう人たちが、皇室の人なら、日本って国はいいなぁ。よし、俺も家族を大切にしよう、さあ、だるいけど、明日も頑張って働こう・・・と、支離滅裂な感動をしてしまった。


 避難所で、膝をつき合せて被災者の方々に向かう皇后陛下の目は、慈愛に満ちた母親のようだ。被災地を見つめる天皇陛下の目は、我が家族を傷つけたモノに向ける、怒りを含んだ父親のようだ。

 お二人が、全てを回れないのはとても残念。