片隅の町の幸せ

それは、あなたの小さな幸せ

右、左・・・

 先日、母親が入院している病院に見舞いに行った時のことです。病院の最寄り駅である、HG池駅の改札を出て、私は考えました。病院へは、右に行くのがルートです。ですが私は、まだ時間があると思い、左に歩を進めたのです。左の方が賑わっている場所でもある。喫茶店でも入ろうかと考えたのです。そして私は、バス停留所のベンチに座る、空梅雨の太陽に打たれている薄汚れた背の高い男と目が合ったのです。私はああっ・・・と声を発していました。




 その男は、酒飲み配達員だったのです。



(覚えておられましょうか?書いてませんが、酒飲み配達員は一ヶ月前に、社員と大喧嘩をして新聞店を辞めていたのです)






 
 久しぶりにあった酒飲み配達員と、こんな会話をしました。


 ●今何をしてるのか?

 「もう働くのアホらしなってな、生活保護でも受けようか思てるで、ホンマ」




 ●(共済)年金をもらい始めたのではないのか?

 「それが未払い分があるからな、五年後からしかもらわれへん、ホンマ。その未払い分払たら、来月からでももらえるけど、その金がないがな、ホンマ」




 ●これからどうするのか?

 「とりあえず今、母ちゃん(別れた奥さん)と待ち合わせとんねんで、ホンマ」




 どうやら、酒飲みは、別れた奥さんのところに転がり込もうとしているようでした。そして、その女性が向こうに姿を見せた時、私は酒飲みと別れたのです。「じゃあまた」、とか言いましたが。「また」が再びあるかどうか・・・




 どうでもいい再会でしたが。しかしなんとなく、私は自分自身の立場に感謝したものです。駅を出て右に歩んで真っ直ぐ病院に向かって酒飲みとばったりしなければ、こんな気持ちになれなかったでしょう。でもやっぱり・・・




 ・・・どうでもいい再会でした。





 みなさんも少なからず、こんな経験あるでしょうね。この方角に進んだことに、どんな意味があるのか考えるのもどうでもいいような再会。
 でもそれが、実は人生にとって巨大な時間だったなんて、後から分かるなんて、テレビドラマみたいなことなんて、あんまりないですよね・・・







 ただこれだけはいえると思います。
 あなたが右に歩もうが左に歩もうが、
 そこには必ず・・・














 微笑みのスケベがいるってことだけはね・・・



 だからそこのお姉さんっ!
ビシッ!!

 




 まよわず行けよ、行けばわかるさ・・・

バキッ!!( -_-)=○☆)>_<)アウッ!