片隅の町の幸せ

それは、あなたの小さな幸せ

・・・前へっ! その五

 ステージのスポットライトの中に飛び出した三人の少女。自己紹介とばかりに入れ替わり順番にセンターに立ち、ダンスを披露します。
 凄い躍動感だっ!
 AKB48ばりの(?)ステップと笑顔に、狂ったように咆哮するファン達。
 飛び跳ねる若者たち。
 タオルを振り回すどう見てもオッサン。
 あっ!
 ゴルゴさんがペンライトを頭上にかざしているっ!



 
 熱狂。
 ステージの上と下で、まるで命を燃やす人々。




 
 確かに私は、その光景にみとれていました。
 しかし、私をそれ以上に震えさせたのは、視覚ではなく、ライブハウスの音響だったのです。




 
 ドンッ! 
 ドンッ!
 ドンッ!





 スピーカがこれだけ近距離なのは、コンサートホールではありえない。
 その大型スピーカからのサウンドが砲弾のように私に命中するのです。





 ドンッ!! ドンッ!! ドンッ!!





 
 あまりにもシンプルなベース音の地響きがあまりにも心地よい。
 これは心臓の鼓動だ。
 そう思いました。







<つづく>