片隅の町の幸せ

それは、あなたの小さな幸せ

供物

 おはようございます。 
 今朝のラジオ文芸館は、
 浅田次郎さん作、 『供物』 ・・・でした。



 

 主人公の五十代の女性は、十歳離れた夫との間に、子供も二人いて、穏やかに暮らしています。ですが彼女には、二十年前、酒乱の元夫から、夜逃げ同然で離婚した過去があるのです。
 さして魅力がある訳でもない現在の夫と再婚して、その生活の中で、惨めな過去を忘却することに勤めてきた二十年。
 そして二十年経って、前夫が亡くなったとの連絡があり、遺骨を拾ってほしいと、弁護士を通して誰かから願われるのです。
 忘却した過去をさかのぼりながら、彼女は、元夫の実家に向かいますが・・・




 
 私は時々、四国お遍路のことをここに書いてますけど、お遍路にこんな人がいると、聞いたことがあります。元はヤクザで、人々にしたひどい仕打ちを悔いて、お遍路を始めた。厳寒の野宿です。獄寒の苦しみが、これまでの悪行の報いになる。
 その話を聞いたとき、その元ヤクザに対して、
 『それはそれは、楽なことをしていらっしゃる』 
 と思ったものです。死にそうな寒さが何だというのでしょう。
 人を恨む炎を、心から消せない苦しみに比べたら。





 元ヤクザは寒さに耐えて自己満足できるかもしれませんが、その元ヤクザに苦しめられた人は、生涯、普通の生活を強いられながら、恨みの炎の獄熱地獄に苦しめられるのです。





 そうはいうものの、人は生きていかないといけない・・・。
 どうするか・・・




 
 

スケベで心を侵略しましょうか。それしかない気がします(-_-;)