さるの湯 作・高橋克彦
こんにちは、今週のラジオ文芸館は、高橋克彦作「さるの湯」でした。
なにげなくふるさとの海沿いの被災地を訪れた主人公。彼が撮った写真には、震災で亡くなった人たちが写りこんでいた。生き残った人たちにとって大切な人たちが、そこにいた。しかしなぜ自分が撮る写真だけがこうなるのか?避難所を撮影してまわるうち、地域の世話役から「さるの湯」という場所を教えられる。サルが入りにくるほどの山奥の温泉で、地元では死者が旅立つ前に入りに来る場所だといわれているという。主人公は、写真に写る亡き被災者たちの謎を探すために、導かれるように「さるの湯」を訪れた。そこで彼が見つけたものとは・・・
人を許せなくてもいいじゃないか
あなたには許せない人がいますか?そいつのことを考えるだけで恨みで心が焼き尽くされそうになる人物が、あなたにはいますか?あなたが最も許せない人物は誰ですか?恨むやつは誰ですか?分かりますよ。ええ、分かりますとも。それはね、
あなた自身だ!
あなたが最も許せない奴は、あなた自身だ。世界で最も恨むやつは、あなた自身なんだ。それはね、その理由はね、
あなたがとてつもなく、心優しい人だからですよ。
あなたはあなた自身を許すんです
あなたは、人を許せない自分を許せないんだ。人を恨む自分を恨んでいるんです。
何て優しい人なんですか。そしてなんて・・・可哀そうな人なんだ。
そんなことで、なんで心優しいあなたが苦しむんですか。
許すんですよ、あなた自身を。人を恨むあなたを、人を許せないあなたを、
許しなさいっ!
お願いだから。
許せない心でさまような旅なんて馬鹿げている
許せない心で故郷にさまよい舞い戻ってきたこの物語の主人公は、最後に何を見たと思いますか?何が分かったと思いますか?この物語の最後は、旅をやめたことになっているのだろうか?
あなたはどう思いますか?
ただ私が思うにはですね、
そこのお姉さん、
私があなたのお着替えを覗き見てもですね、
許してね~恨まないでね~
ということなんですよ。
バキッ!!(-_-)=〇☆)>_<)アウッ!!