■新聞配達の道、 「私、隠れるのが得意なんです」 「まだかな・・・」 「あの娘の手紙、まだかあっ！」 「散歩・・・」 「連れてってにゃぁ〜〜」 「秋だわ・・・」 「影がこんなに長くなって・・・」 「なんだか、センチメンタルになってしまうわ」 「でも…

■新聞配達の道、 ウサギ、久しぶり・・・

文明とは・・・ 進歩とは・・・ ノーベル賞の報道が騒がしい今、考える機会がそこにある。 ●電話機と母親、 「0(ゼロ)、7(ナナ)、2(ニ)・・・」 「この電話っ、いちいちしゃべるから調子狂うねんっ！ しゃべる前に番号押したらどうなんねんっ、いったいっ！」

●ノーベル賞を受賞した人は、世界にとってかけがえのない凄い人のはず・・・ 新聞店にて、 「ノーベル賞の賞金って、一億円やろ」 「そうやけどな。半分しかもらえんらしい」 「なんでや」 「そもそもこの、アイなんやら細胞はなぁ、四十年前にイギリスのお…

●（たぶん初めて）コマなしの自転車に乗ろうとする男の子（孫）を見守る、老年の女性（祖母）。 「それっそこやっ、それそれもうちょいもうちょいっ・・・ぅわおぅっ！」

●姿見の前で、クルクル回っている母親、 「背中、丸なったなあ」

●新聞店。誕生日を迎えた酒飲み配達員、 「いまさら誕生日いうたかてな、ホンマ。母親が生きとったらな、色々あるんやろうけどな、ホンマ。去年、二十年ぶりぐらいに電話したら、死んどったわ、ホンマ。・・・親不孝ばっかりやな、ホンマ」

●誰にでもその日がある。新聞店、酒飲み配達員、 「あと一週間で、ワシも六十の誕生日や、ホンマ。六十になったら年金もらって・・・新聞もいつでも辞めたる準備整えるわ、ホンマ」 ●生命誕生の源・・・水。その神秘について、母親が語った、 「あれやな、ウ…

●茶色い液体が入った容器を冷蔵庫に入れながら、母親、 「これ、あずきのだし汁やからな。麦茶と間違えなや」

●大腸検査の検便。病院でもらった説明書を読んで、母親、 「冷暗所に保管せよ、って書いてるな。冷蔵庫入れとこか・・・」 「何考えとんねんっ！」 「ここに書いてるやろっ！」

〜スケベの車窓から〜 ・・・列車は、阪急電鉄宝塚線、蛍池駅を出発しました。若い母親が幼い女の子を抱きかかえて、ドア付近に立っていました。母親の胸に抱かれた女の子は、ドア窓に額をくっつけるようにして、大阪国際空港周辺の乱雑な町並みを楽しそうに…

●新聞店。残暑の追憶。酒飲み配達員と他の配達員、 「俺らも、もし免停でもなったりしたら、すごこれやで（自分の喉元を指先で切る振りをして）」 「別に構へんで、ワシ、ホンマ」 「あんた、行くとこあるんかいな？寮に住まわしてもろてんやろ」 「かあちゃ…

●我が家のトイレが、ついに、ウォシュレットになった。母親の発音、 「ウォッシュレット」 ●ウォシュレット機能を、自慢げに説明する母親、 「ボタンをぽん・・・って押したらな、ウォッシュレットの水がぴゅ―・・・って出るわ。ほんで、ボタンをまたぽん・…

●ホームセンターで。商品棚が邪魔をして、母親と男の子が離れ離れになっている、 「ママぁっ、何処ぉっ！」 「〇たぁっ、此処やでぇっ！」 「ママぁっ、何処ぉっ！」 「此処におるでぇっ！」 「ママぁっ、ここ何処ぉっ！」

●飯の時間になっても、うたた寝が続いている母親を起こした、 「うふあわぁ〜〜っ・・・何時ぃっ〜〜・・」 ●新聞店。明日をも知れぬ酒飲み配達員も、友人に金を貸しているらしい。 「工事現場の道路の誘導員しとんねん。日給六千五百円やで、ホンマ。あいつ…

●不吉な音、 ゴロゴロゴロゴロ・・・

●洗面所に、肉片のようなモノが無造作に置いてあった。何かとつまみあげた瞬間、母親、 「それ私の部分入れ歯やでっ！」

●猛暑の日を凍てつかす、オッサン配達員たちの言葉、 「日本、メダルラッシュやのう。そやけど、銅メダルばっかりなんも、どうかと思うけどなあ」 「保険のおばちゃんがな、差し入れしてくれてん。食べや。配達前のこの暑いのに、お菓子食べるんも、おかしな…

●新聞店、灼熱の夕方、速攻で帰る酒飲み配達員にたいして、 「あのオッサン、これから梅田にボートや。配達はダラダラしやがるくせに」 ●わが家のトイレをウォシュレットにするかどうか検討されている。父親と母親、 「痔にええねん。痔ぃ、あるやろ」 「あ…

●新聞店にて、 「なんや、今年セミ、あんまり鳴かへんな」 「暑すぎるんちゃうか？」 「去年の今ごろ、シャンシャン鳴いとったのにな」 「シャンシャン鳴くんわ、アブラゼミか？」 「アブラゼミは、ミーンミンミンやろ。シャンシャンは、クマゼミやろ」 「ク…

●天ぷらを揚げる母親、 「汗が目にしみるわ」 ●今年初めて、母親がクーラーをつけた。 「今年はつけへん、いうてたんちゃうんかっ。原発がどうのこうのいうて」 「ちょっとだけやろっ！」

それぞれの考え。 ●新聞店。昨日の雛ツバメについて、 「本屋のオバハンがな、猫がうろついてるから、いうて、捕まえて自動販売機の上に避難させよったわ。親がエサやりに来よる」 「最近、雛がえろう減ってるけど、猫にやられてるんちゃうか。そういうたか…

■新聞配達の道。 ■新聞店前にて。雛（右）が巣から落ちたようだ。親ツバメ（左）が様子を見に来ている。 「どこから落ちたんや。この辺、巣がようけ、あるからなぁ」 「もどそか？」 「そやけど、違うとこもどしても、ええんか？」

人の過去 ●新聞店。酒飲み配達員、 「ワシもそろそろ、十月から年金もらえるわ、ホンマ」 ●外でタバコを吸っている酒飲み配達員を見ながら、社員が、 「あのオッサン、ああ見えてな、元公務員や。電電公社（NTTの前身）に勤めとったんやで。ずっと共済年金か…

ユングという心理学者が、 ・・・シンクロニシティ。 という概念を発表していたそうです。 難しいことは分かりませんが、つまり、日常生活における気持ち悪くなるような偶然は偶然ではなく、意味のある偶然、ということでしょうか。 私はこの一週間、このブ…

●コンビニの食料を食べたことがほとんどない母親、オニギリを手にして、 「どないなってんの、これはっ」 「①、②、③って順番書いてるやろ」 「どうすんのよっ」 「だから引っぱるんやっ」 「引っぱってるやないのっ！」 「どこ引っぱんてんねんっ、無茶苦茶…

我々一般市民には知り得ない、深く暗い謎の闇が、原発問題には存在するのか・・・ ●母親、 「今年や、クーラー使わへんで。扇風機だけやで。原発がどうのこうのいうてんねんから」 「ほんまに使わへんのか」 「使わへんいうたら、使わへん。原発があれやこれ…

●新聞店。酒飲み配達員、 「金落としたわ、ホンマ。五千円やで、ホンマ」 ●酒飲み配達員、腰に巻いているウエスト・ポーチを振りながら、 「チャックが開いとってん、ホンマ」 ●酒飲み配達員、社会の成り立ちについて、 「水道代払いに行ったんやけどな、そ…

■新聞配達の道、雨でも・・・ 雨だから・・・

●新聞店。給料振込み日の酒飲み配達員、 「今日は帰ってひさしぶりに、ビールでも飲もかいっ、ホンマ」 ●そんな酒飲み配達員を見て、社員配達員、 「あのオッサン、威勢ええの、給料日だけや。あと十日もしてみい、またぶつくさ言いだしよるで」