片隅の町の幸せ

それは、あなたの小さな幸せ

文芸館

なつかしいひと 作:宮下奈都

こんにちは。 今週のラジオ文芸館は、 宮下奈都作、「なつかしいひと」でした。 主人公は、母を亡くした中学生、園田太一。太一の家族は、母がいなくなった辛さに耐えられず、母の実家に住まわせてもらうことになった。慣れない土地で学校になじめず、悲しみ…

家族写真 作:松井玲奈

こんにちは。 今週のラジオ文芸館は、 松井玲奈作、「家族写真でした」 主人公は、小学6年生・11歳の女の子「アイ」。父親は単身赴任、母親は仕事で夜遅くまで働いている。両親を困らせたくない、でも、まだ甘えたいと揺れ動く気持ち。そんな「アイ」のア…

竹を切る 作:伊藤桂一

こんにちは。 今週のラジオ文芸館は、 伊藤桂一作「竹を切る」でした。 備中の小藩で父の手伝いをしている22歳の若者、桑坂伴内は、地元に生える竹を使った「うちわ」づくりに励んでいた。そのうちわは、工芸品と言ってもいいほど精緻なもので、収入は懇意…

姥捨(うばすて) 作:太宰治

こんにちは。 今週のラジオ文芸館は、 太宰治作、「姥捨(うばすて)」でした。 不倫した妻「かず枝」と、妻をそのような行為にまで追いやるほど日常の生活を荒廃させてしまった夫「嘉七」は、お互い身の結末を死ぬことによってつけようと、かつて2人でひと…

さるの湯 作・高橋克彦

こんにちは、今週のラジオ文芸館は、高橋克彦作「さるの湯」でした。 なにげなくふるさとの海沿いの被災地を訪れた主人公。彼が撮った写真には、震災で亡くなった人たちが写りこんでいた。生き残った人たちにとって大切な人たちが、そこにいた。しかしなぜ自…

雪の降る町、春に散る花

今週のラジオ文芸館は、 「雪の降る町、春に散る花」作:豊島ミホ でした。 雪の降る町に住む高校3年の加代子は、春から東京の大学に進学する。田舎を離れ、付き合っている佐々木くんとも離ればなれになることが決まった 3月。上京するまで、佐々木くんと…

無用の人

こんにちは。今週のラジオ文芸館は、 原田マハ作「無用の人」でした。 美術館の学芸人、羽島聡美の50歳の誕生日に、癌で亡くなった父親が生前に出したであろう小さな宅配便が送られてくる。それは見知らぬ住所が書かれたアパートのカギだった。後日、そのア…

被写体の幸福

こんにちは。 今週のラジオ文芸館は、「被写体の幸福」です。 主人公の女性、呂思希(しき)は台湾から日本にやってきた留学生。(しき)は幼いころから日本に憧れていた。正確に言うと、日本の女性に。もっと正確に言うと、ある一枚の写真の中の、笑顔の日…

再び

最近私は、「ラジオ文芸館」を更新しておりませんが、何故かというと、再放送が多い。昔は再放送は再放送で、更新しておったのですが・・・最近は・・・ ・・・また再放送かいな、と、そのまま寝てしまうのです。 それに、また聴きたいな、と思うような作品…

五間掘の雨

おはようございます。 今朝のラジオ文芸館は、 宇江佐 真理さん作、 『五間掘の雨』 ・・・でした。 主人公の長五郎は、居酒店「ほうらい堂」の店主です。江戸本所五間掘にあるその店は、夕刻から翌明け方までの間に、さまざまな人間が来客します。 近くに住…

それでも鳥は空を飛ぶ

おはようございます。 今朝のラジオ文芸館は、 森浩実さん作、 『それでも鳥は空を飛ぶ』 ・・・でした。 森浩実さん 主人公の少年は、小学五年生です。少年の父親は、航空会社に勤めています。父親は飛行機が好きで、パイロットになりたかったのです。です…

1950年のバックトス

おはようございます。 今朝のラジオ文芸館は、 北村薫さん作、 『1950年のバックトス』 ・・・でした。 アユコの息子、ショウタは少年野球に所属しています。野球のことが良く分からないアユコですが、息子の試合の応援にはよく行きます。ある日、義母の…

銀のデート

おはようございます。 今朝のラジオ文芸館は、 石田衣良さん作、 『銀のデート』 ・・・ でした。 ミサは、結婚して三十年になる夫と二人、若いカップルが目立つ繁華街を歩いています。ミサの手には、犬の散歩に使うリードが握られています。そのリードの先…

絵(再)

おはようございます。 今朝のラジオ文芸館は、 角田光代さん作、 『絵』(再放送) ・・・ でした。 (絵 - 片隅の町) 結婚、出産、子育て、家族・・・。主人公の女性は、描いていた理想がことごとく思い通りにならず、将来に不安を感じています。 私も昔、…

レンガを積む(再)

おはようございます。 今朝のラジオ文芸館は、 堀江敏幸さん作、 『レンガを積む』(再放送) ・・・ でした。 (嘘はつけない - 片隅の町) ちょうど一年くらい前の再放送ですね。私がこのブログで、ラジオ文芸館コーナーを作る、まだその前になんとなく紹…

切小皿

おはようございます。 今朝のラジオ文芸館は、 伊集院静さん作、 『切小皿』 ・・・でした。 四十三歳のシュウイチは、家族で団地に暮らす平凡な会社員です。妻と中学生の息子と小学生の娘の四人家族。同居していた母親は、昨年亡くなりました。 息子が、高…

練習球

おはようございます。 今朝のラジオ文芸館は、 あさのあつこさん作、 『練習球』 ・・・でした。 夏の高校野球地区予選、準決勝。四点リードされた九回裏ツーアウト。ベンチで控えていた主人公の高校球児に、監督から代打が告げられます。 まあ、お話の説明…

ホットコーラ

おはようございます。 今朝のラジオ文芸館は、 宮本輝さん作、 『ホットコーラ』 ・・・でした。 ヒデオは、会社勤めを辞めて、新興住宅地の一角に店舗つき住宅をローンで購入し、喫茶店を開業しました。近くにかまぼこ工場とその女子寮もできて、客足は伸び…

お父さんのバックドロップ(再)

おはようございます。 今朝のラジオ文芸館は、 中島らもさん作、 『お父さんのバックドロップ』 (再放送) ・・・でした。 ●(お父さんのバックドロップ - 片隅の町) 主人公のモデルとなった悪役プロレスラー、 上田馬之介さん、 前回の放送から数ヶ月後に…

雪明かり(再)

おはようございます。 今朝のラジオ文芸館は、 藤沢周平さん作、 『雪明かり』 ・・・でした。 (雪あかり - 片隅の町) このお話では、愛のために世間と身分の体面を捨てられるのか・・・。 それがテーマとなっておりますね。 体面か・・・ みなさん、文楽…

なめとこ山の熊

おはようございます。 今朝のラジオ文芸館は、 宮沢賢治先生作、 『なめとこ山の熊』 ・・・でした。 猟師の小十郎は、熊の内臓と毛皮を売って生計を立てています。毎日毎日、猟犬と山に入り、熊を探しています。 ベテラン猟師小十郎には、熊の声が聞こえる…

よしのが来る

おはようございます。 今朝のラジオ文芸館は、 吉川トリコさん作、 『よしのが来る』 ・・・でした。 りゅうたろうとよしのは幼なじみ。お互いいつも、ごく普通に隣にいる存在でした。 「わたし、こんな町、大っ嫌い」 いつもそういっていたよしのは、妊娠し…

おはようございます。 今朝のラジオ文芸館は、 津村節子さん作、 『声』(再放送)・・・でした。 (声 - 片隅の町) 長年連れ添った夫(吉村昭氏)の死後、苦労して建てた家を新築のために壊してしまう。津村さんの耳に、夫の声が、ささやきが聞こえるよう…

証言

おはようございます。 今朝のラジオ文芸館は、 松本清張先生作、 『証言』 ・・・でした。 ごく普通の会社員で中間管理職の男、イシノ。彼は、元部下だった若い女を、愛人として囲っています。二人の関係を誰にも気づかれないように会社を退職させ、小さなア…

遅れてきたメッセンジャー

おはようございます。 今朝のラジオ文芸館は、 楠見朋彦さん作、 『遅れてきたメッセンジャー』 ・・・・・・でした。 切手蒐集のホームページを運営している主人公の男性に、 『わたし』 と名乗る女性から電子メールが届きます。その女性、 『わたし』 さん…

お父さん大好き

おはようございます。 今朝のラジオ文芸館は、 山崎ナオコーラさん作、 『お父さん大好き』 ・・・でした。 この作品のあらすじは、そうですね・・・ 『日常』 、です。 こういうしかありません(・_ー)。 あなたの日常・・・ 先週の芥川龍之介先生の作品でも…

蜘蛛の糸 ・ 犬と笛

おはようございます。 今朝のラジオ文芸館は、 芥川龍之介先生作、『蜘蛛の糸』と『犬と笛』・・・の二作でした。 『蜘蛛の糸』に関しては、約一年位前にここに書いたことがあるのです。よく知られているお話なので、何もいうことがない(-_-;) 『犬と笛』も…

さくら地蔵

おはようございます。 今朝のラジオ文芸館は、 重松清さん作、『さくら地蔵』・・・でした。 ある町のある交差点の片隅に、お地蔵様が建てられています。春先、そのお地蔵様を初めて見る人はちょっと驚きます。まだ桜が咲いていないのに、そのお地蔵様の足回…

イルカ療法〜突発性難聴〜

おはようございます。 今朝のラジオ文芸館は、 山本文緒さん作、『イルカ療法〜突発性難聴〜』・・・でした。 主人公の女性は、元有名私立小学校の教師でした。ストレスからか、あるとき片耳に耳鳴りが発生し、徐々に進行して、やがて会議の半分も聞こえなく…

月の上の観覧車

おはようございます。 今朝のラジオ文芸館は、 萩原浩さん作、『月の上の観覧車』・・・でした。 主人公の男性は、父から引き継いだホテル経営を拡大させた成功者。三男である主人公は、元は東京で映画監督や脚本家志望。ですが兄たちが死に父親も倒れて、故…